こんばんわ。管理人の来栖あさひです。
転職をする場合や会社が嫌になって退職する場合など、退職をするときはほとんどの場合で自己都合扱いでの退職になってしまい、3ヶ月間の給付制限(失業保険が支給されない期間)を待ってから失業保険が受給されると思います。
今回の記事では『自己都合で退職しても会社都合の退職にする方法と、そのときに注意するべきこと5選』という内容で紹介しています。
退職するか悩んでいる人はぜひ参考にしてみてくださいね。
会社都合退職=特定受給資格者といいます
失業保険を会社都合退職扱いでもらう為には、「倒産」「解雇」などにより離職した者(=特定受給資格者)として扱われる必要があります。
そのほかにも正当な理由のある自己都合退職(=特定理由離職者)の扱いがあります。
会社都合退職の扱いにするメリットはこちらになります。
- ほとんどの場合で所定給付日数が増える
- 待機期間(7日間)後の給付制限(3ヶ月間)がない

今回は会社都合退職のうち特定受給資格者の条件などについて詳しく説明していきますね。
自己都合と会社都合の所定給付日数の違い
先ほど、会社都合退職は自己都合退職よりも所定給付日数が増えると紹介しました。
その具体的な数字を見てみましょう。
被保険者であった期間 | 10年未満 | 10〜20年未満 | 20年以上 | |
65歳未満共通 | 所定給付日数 | 90日 | 120日 | 150日 |
被保険者であった期間 | 1年未満 | 1〜5年未満 | 5〜10年未満 | 10〜20年未満 | 20年以上 | |
30歳未満 | 所定給付日数 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | 適用なし |
30〜35歳未満 | 所定給付日数 | 90日 | 90日 | 180日 | 210日 | 240日 |
35〜45歳未満 | 所定給付日数 | 90日 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 |
45〜60歳未満 | 所定給付日数 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 |
60〜65歳未満 | 所定給付日数 | 90日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
こうして見ると、全然違いますよね。
また、前職を退職したときに失業保険を使わなかった場合で、被保険者でなかった期間が1年未満の場合、被保険者であった期間を前職と通算して計算してもらえますので、被保険者であった期間を知りたい人は管轄のハローワークで聞いてみてください。
さて、では具体的に、特定受給資格者にはどんな条件でなれるのでしょうか?
特定受給資格者の条件
特定受給資格者になる条件は「倒産」など、または「解雇」などにより離職した者とされています。
まずは「倒産」などについて見ていきましょう。
◎「倒産」等により離職した者
①倒産(破産、民事再生、会社更生等の各倒産手続の申立て又は手形取引の停止等)に伴い離職した者
②事業所において大量雇用変動の場合(1か月に30人以上の離職を予定)の届出がされたため離職した者及び当該事業主に雇用される3分の1を超える者が離職したため離職した者
③事業所の廃止(事業活動停止後再開の見込みのない場合を含む。)に伴い離職した者
④事業所の移転により、通勤することが困難となったため離職した者
雇用保険事務手続きの手引き《令和元年8月版》より引用
続いて「解雇」などの条件です。
◎「解雇」等により離職した者
①解雇(自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇を除く)により離職した者
②労働契約の締結に際し明示された労働条件が事実と著しく相違したことにより離職した者
③賃金(退職手当を除く。)の額の3分の1を超える額が支払期日までに支払われなかったことにより離職した者
④賃金が、当該労働者に支払われていた賃金に比べて85%未満に低下した(又は低下することとなった)ため離職した者(当該労働者が低下の事実について予見し得なかった場合に限る。)
⑤離職の日の属する月の前6か月間のうちに3月連続して45時間、1月で100時間又は2〜6月平均で月80時間を超える時間外労働が行われたため、又は事業主が危険若しくは健康障害の生ずるおそれがある旨を行政機関から指摘されたにもかかわらず、事業所において当該危険若しくは健康障害を防止するために必要な措置を講じていなかったため離職した者
⑥事業主が法令に違反し、妊娠中若しくは出産後の労働者又は子の養育若しくは家族の介護を行う労働者を就業させ、若しくはそれらの者の雇用の継続等を図るための制度の利用を不当に制限したこと又は妊娠したこと、出産したこと若しくはそれらの制度の利用の申出をし、若しくは利用をしたこと等を理由として不利益な取扱いをしたため離職した者
⑦事業主が労働者の職種転換等に際して、当該労働者の職業生活の継続のために必要な配慮を行っていないため離職した者
⑧期間の定めのある労働契約の更新により3年以上引き続き雇用されるに至った場合において当該労働契約が更新されないこととなったことにより離職した者(平成30年2月5日から平成34年(令和4年)3月31日までに契約更新上限の到来により離職した場合で、下記の①〜③に該当する場合を含む。)(※)
(※)①契約更新上限が当初の有期労働契約締結時に設けられておらず、当初の有期労働契約締結後に設定された場合又は不更新条項が追加された場合
②契約更新上限が当初の有期労働契約締結後に引き下げられた場合
③基準日(平成24年8月10日)以後に締結された4年6か月以上5年以下の契約更新上限がある有期労働契約の契約更新上限の到来(定年後の再雇用に関し定められた雇用期限到来を除く。)により離職した場合。ただし、基準日前から、同一の事業所の有期雇用労働者に対して、一様に4年6か月以上5年以下の契約更新上限を設定していた場合を除く。
⑨期間の定めのある労働契約の締結に際し当該労働契約が更新されることが明示された場合において当該労働契約が更新されないこととなったことにより離職した者(上記⑧に該当する者を除く。)
⑩事業主又は当該事業主に雇用される労働者から就業環境が著しく害されるような言動を受けたことによって離職した者
⑪事業主から直接若しくは間接に退職するよう勧奨を受けたことにより離職した者(従来から恒常的に設けられている「早期退職優遇制度」等に応募して離職した場合は、これに該当しない。)
⑫事業所において使用者の責めに帰すべき事由により行われた休業が引き続き3か月以上となったことにより離職した者
⑬事業所の業務が法令に違反したため離職した者
雇用保険事務手続きの手引き《令和元年8月版》より引用
一般的に言われる会社都合の退職は「倒産」などの条件であることがわかります。
それでは具体的にどうすればいいのでしょうか?
会社都合退職にする為の5つの注意点

ごちゃごちゃ書いてあってわかりにくい…できるだけわかりやすく説明してね(><)

だよね。
でもきちんとハローワークで聞いてきたから、わかりやすく説明するね。
今回聞いてきたのは
- 賃金が85%未満に低下した場合の条件
- 時間外労働が多かった場合の条件
- 有期労働契約の条件
- 就業環境が著しく害された場合の条件
- 3ヶ月以上休業が引き続いた場合の条件
の5点です。
できるだけわかりやすく説明していきますので、それぞれ見てみましょう。
賃金が85%未満に低下した場合
ここで言う賃金とは基本給のことを言います。
たとえば、残業や休日出勤が減った、あるいは出来高制における歩合給が減ったなどの場合は適用されません。
また、予見ができたかどうかについてですが、こちらについてはあまり気にすることなく、「基本給が下がるので退職しました」で通過できるようです。
時間外労働が多かった場合
この条件が最も当てはめやすいかと思います。
- 3ヶ月連続で45時間以上の時間外労働
- 2〜6ヶ月で平均80時間以上の時間外労働
- 1ヶ月で100時間以上の時間外労働
このいずれかに当てはまれば通過できます。

ちなみに私もこの条件で会社都合退職にできました(^^)
有期労働契約の場合
この条件は正社員ではなく、嘱託社員や契約社員、派遣社員やパート、アルバイトなどの雇用契約に期間の定めがある労働者が対象です。
有期労働契約を結んでいて、3年以上雇用されていて、雇用が継続されなかった為に退職した場合に適用されます。
また、年齢の上限などが当初の有期労働契約を結んだ後に、基準が引き下げられたり新設された場合などでも適用となります。
就業環境が著しく害された場合
この条件は適用が非常に困難です。
就業環境が著しく害される原因となった言動(いわゆるイジメ・パワハラ・モラハラ・セクハラなど)を証明できる文書や音声などがあることが前提となります。
また、本人に著しい過失がある場合などでは受理されない場合もあります。
3ヶ月以上休業が引き続いた場合
こちらはあくまでも使用者の責めに帰すべき事由(単なる営業不振や、社内での不祥事が原因で雇用調整をおこなう場合など)に限られます。
また、新型コロナウイルスや天災などの影響によって休業を余儀なくされた場合などは使用者の責めに帰すべき事由として判断されません。
※ただし、新型コロナウイルスの影響による退職の場合は、特定受給資格者ではない別の要件を適用できる場合がありますので、管轄のハローワークに相談してみてください。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
現在、新型コロナウイルスの影響により、様々な分野・業界において雇用の確保が難しくなっている状況です。
転職を検討している人の中にも、3ヶ月の給付制限があるからとあきらめていた人がいらっしゃったのではないでしょうか。
今回の記事で自分にも当てはまるかも? と思った人はぜひ管轄のハローワークで確認してみてくださいね。

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